上記のリンク先では、ビジネスマナー講師が「企業が社員の方言を矯正するのはハラスメントです」というお話です。
要するに「社員全員が標準語を使えるように指導してほしい」という依頼があったのですが、こちらの講師はそれを「方言ハラスメントである」という考え方のようです。
まぁ一般の方からのコメント通り、ちょっと矛盾した内容でもあるので、深く突っ込んでも人それぞれの考え方だからそれは別に構いません。
『その方はご家族の転勤で東京へ来たばかり。長く関西方面にお住まいだったので、アクセントの位置や単語が、関東と少し異なるのです。』
個人的には企業側が「東京に転勤してもらいたいのだが、そのためには関西弁ではダメだ。標準語を使ってもらうことになるがいいか?」というようなやりとりがあれば全く問題ないと思うのですよ。
「ウチの会社のルールでは、標準語を使うことになっている」
↑これってハラスメントなのでしょうか?
転勤する本人がそのことを了承するなり、「無理です、できません!」と断るなりすれば良いだけです。
『方言ハラスメント』という言葉が存在するとしたらそれは、「方言を使っている人を馬鹿にする」とか「方言を使用した社員のことを厳しく怒鳴りつける」などという場合に限られると思うんですよね〜! このようなケースではアウトだと思いますよ!!
実際にウチの店舗であるプラス(仮)ABC店(首都圏です)でこのようなことがありました。
バリバリの関西弁を使用される上司が着任されました。まぁ上司といってもフロアマネージャーなので一般的には主任クラスの肩書きです。
そんな関西弁のフロマネが着任後に若い学生パートに指示を出しました。
関西弁のフロマネ「●●さん、これ直しておいて!」
学生パート「はぁ? これの何を直すのですか?」
関西弁のフロマネ「・・・もうこれだから関東の人は嫌やねん、『直す』ゆーたら『片付ける』ということでしょうぉ」
というような会話がなされ、学生パートさんは私に相談してきました。
学生パート「これって僕が悪いんですかね?」
関西弁のフロマネの最後の言葉「ということでしょうぉ」のイントネーションが下がり気味だったようで、学生パートさんは「呆れかえられた」「注意された」と感じてしまったようです。
まぁパワハラとまでは行かないレベルの会話ではありますが、関西弁のフロマネが『片付ける』ことを『直す』と言ってしまったのは仕方がないと思います。しかし方言の言葉を『常識だろ』『なんで知らないの?』というように押し付けるのは、いかがなものでしょうか?
この関西弁のフロマネが使用する方言は多々あり、パート社員たちから一番不評だったのが
関西弁のフロマネ「なんなんそれ?」
だそうです。
関西弁のフロマネ(40歳代)の見た目がちょっと『イカツイ』ということもありますが、発音も含めて彼に「なんなんそれ?」と言われると「怖い」と思う人が多数いて、パート社員の休憩所では「あの人どうにかならないかな〜?」という噂話で持ち切りでした。
現実的にお客様からも苦情が出ています。
小売店によくある「お客様からの投書」みたいなものが当店にも設置されていて、関西弁のフロマネ着任後から「ヤ●ザの店員が怖いです」「関西弁だと何を言っているのかわからない」「ここは首都圏なので標準語で対応しない店員は失礼です」など、細かくは知りませんが10通以上のクレームが入っていました。
そのような投書を気にしてか関西弁のフロマネの上司である『年下の店長(30歳代)』が、パート社員などにも確認したところ、ほとんどのパート社員から同じような意見が噴出したため、本社の人事部に報告された・・・というところまでの話を聞きました。
同じ店舗で働く人、そしてお客様からもクレームが出るということは、企業として対策を取るのは必然であり、「標準語で話せない」もしくは「標準語を話そうとはしない」のであれば、関西圏の店舗で働いてもらえばイイだけです。
もしくはパート社員やお客様と直接コミュニケーションを必要としない部署への異動なども考えられますよね。
ちなみにプラス(仮)ABC店の正社員の中には関西出身の若い方もいます。こちらは若干イントネーションがずれていることもありますが、基本的には標準語を使用されています。もちろん勤務時間外のプライベートなどでは彼は関西弁になることが多いです。
この若い正社員の方への『言葉のクレーム』はパート社員・お客様からも一切ありません。
パート社員である私が言うのもなんですが、『方言パワハラ』は方言に問題があるのでなく、方言を話される人に問題があるのかもしれませんね。
【結 論】
やはり関東でコミュニケーションを必要とする仕事をされている方は、標準語を使用された方がとりあえず無難であり、リンク先の講師が言うような『方言ハラスメント』という感覚には無理があります。
※関東から関西に転勤して「関西弁を覚えて話す」ということについてはまた別の話だと思います。