先日こんな記事を見かけました。
「パートが、仕事が終わらないのに帰る」「仕方ない」「無責任」どっち? 専門家に聞いた!
コトの発端はこのような投稿意見からです。
「パートの人が、仕事が完了していないのに帰ってしまい、困っている」と嘆く投稿が、インターネットで炎上ぎみの騒ぎになっている。
「新しいパートさんが入ってきました。勤務時間は10時から15時まで。月末月初めや繁忙期には残業をしてもらう契約ですが、用事があるからと1~2時間ほど残業し仕事が完了しないうちに帰ってしまうことがあるので困っています」
なるほど、新人のパートさんが与えられた仕事が終わっていないのに帰ってしまったのですね。
ちょっと上記の説明内容だけでは把握しきれないところがあるので、ある程度憶測となってしまいますことをご容赦ください。
最初に言っておきますが、基本的にパートには二種類の働き方があり、それが『週20時間勤務』と『週40時間勤務』ということになります。
まず『勤務時間は10時から15時』とあるので、たぶんその新人パートさんは「週20時間契約」だと思われます。
週20時間を越える勤務となった場合は健康保険や厚生年金などへの加入が義務づけられていますので、例え繁忙期といえども「週20時間」という数字を動かすことはできません。
どのようなシフトになっているか不明ですが、「10時から15時」という『5時間勤務』が1週間で4日あるとしたら合計20時間となりますので残業はアウトです。会社側は新人パートさんに対し健康保険と厚生年金に加入させなければなりません。
※「短期パート」など特別な勤務契約の場合は除きます。
例えば新人パートさんが『女性・主婦』とするならば、旦那さんの扶養家族で手当や控除などの都合があるでしょう。この場合は週20時間以上働かせてはイケナイと思いますし、雇用前の面接などでよく確認しておくべき事柄だと思います。
もし『5時間勤務』が1週間で3日だった場合は週15時間勤務程度となり、健康保険と厚生年金に加入義務がないので、どうしても残業してほしかった日のシフトを予め「10時から18時」としておけば良かったと思います。ただし1日8時間勤務となりますと休憩時間を1時間程度取らないとなりませんので、「10時から19時勤務で途中に1時間の休憩」となります。
上記の「週20時間契約」ということがあるので、仕事が完了していなくてもパートさんが帰るのは当たり前なんです。いや逆に管理者が帰らせないとダメですね!
そしてこのような大前提があります。
「週20時間契約のパートさん」は『本業』が別にある場合がほとんどです。
私がパート勤務するプラス(仮)ABC店では「週20時間契約のパートさん」は主婦もしくは学生であるケースがほとんどです(家庭の都合(介護などの世話をしているなど)で主婦でも学生でもない人も数名います)。
この新人パートさんが仮に「30歳〜40歳ぐらいの主婦」だとします。
勤務時間が「10時から15時」ということは、例えば「お子さんが学校から帰宅する時間」などが関係しているかもしれません。
15時に仕事を上がって買い物などの用事を済ませ、学校から帰宅した子どもの夕飯を作るとか学習塾や習い事などへの送り迎えがあるなど主婦としての『本業』があるのかもしれません。
要するに「月末月初めや繁忙期には残業をしてもらう契約ですが〜」という部分が根本的に間違っている、もしくは勘違いしているのでしょう!
「仕事が終わるまで残業を続ける」という契約ではありません!
現実的に新人パートさんは15時以降に1〜2時間の残業をしているわけですから、一般論として『繁忙期の残業』はクリアしています。
この意見を言った人は「自分に与えられた仕事が終わるまで残業しなくてはならない」という考えがあるのでしょうけど、まだ仕事に慣れていない新人パートさんでは諸先輩方と同じ時間で仕事をこなすことができないのは当然の結果です。
私はこの記事を読んで「この意見を言っているのは会社側の人間ではなく、同じパートの人(同僚)なのでは?」と思いました。パートを雇う側の人は法律に関する知識はそれなりにありますので、このような無責任な発言はしないと思うのですよ。
仕事が完了しなければ正社員や役職者に報告して終わっていない仕事を引き継ぐのが常識です。
あとは正社員や役職者の判断で他のパートさんにやらせるなど指示をすればいいのです。
「週40時間契約のパートさん」ならフルタイム契約(健康保険や厚生年金に加入済み)なので、多少の残業は覚悟の上でしょうから36協定で定められている月45時間までの残業はOKです。
この投稿に対して、「パートは時間で働くのだから仕方ない。残業してもらうだけでも感謝すべきだ」という反発が大半だった。
でしょうね。。。
でも反発の意見もちょっと違うかな〜と思います。
「パートは正社員よりずっと雇用が不安定で、給与が少なく、福利厚生を享受できない。なぜ好き好んで、そんな立場に甘んじているのか? 定時で帰れるからです。そのパートさん、残業に2時間も応じている。十分に協力的です。希望どおりに残業させたいなら、最初から正社員を雇ってください」
言いたいことはわかりますが、「定時で帰れるからです」というのがちょっと違います。
給与を得るために仕事をするのが基本で、自分の自由に使える時間だけ働けるというのがパート(週20時間契約)のメリットなんです。
面接時に会社と相談して「10時から15時」という契約が可能なのはパートという働き方だけなんですよ。残業などの話も面接時にして理解しているはずなので、「必ず定時で帰れる」ということはなく、「繁忙期は残業がある」という認識だったので1〜2時間の残業をしたのだと思われます。
あと正社員でもパートでも同じですが、査定で評価を低くすれば良いのです。ボーナスや昇給などで、たくさん残業してくれる人と差をつければ問題ないでしょう!
「契約が15時までのパートならば、忙しかろうが何だろうが帰るのは仕方ない。それを破ったら労働基準法違反ですよ。パートには与える仕事量と内容が、その人物の能力、時間制限を勘案して十分に勤務時間中に終えられるものでなければならないと思います」
労働基準法違反ではありません。週20時間以内でしたら残業はできます。
やはりシフトがおかしいですね。
「繁忙期で忙しい」「仕事に慣れていない新人パートさん」ということを考慮すると最初からシフトを『10時〜18時』などというような設定にしておくべきでしたね。
ちなみに今回のケースでは「残業は時給が25%アップ」ではなく、1日8時間までの勤務は通常時給となります。
あとこのような意見もあったようです。
「パートに対する意識の低さにびっくりしました。皆さん、20年くらい前の感覚ですね。まず時間内に仕事が完成できる人を雇う。能力がない人を雇ってはダメ。時間内に終わらせることを前提に働いてもらい、できなければ怠慢と見なし、残業は仕方がないです。私は時間内に終わらせることができない、不出来なパートを辞めさせてきました」
はい、私も賛成です。
会社の業務に合わないパートさんにはヤメていただいたほうがイイです。
ただし「できなければ怠慢と見なし」の部分ですが、今回のケースでは新人のパートさんなので、仕事に慣れるまでの時間はそれなりに与えて、教育をキチンとやってほしいと思います。
でもね、確かにいるんですよ・・・とてもじゃないけど許容できないレベルのパートさんが!
私の勤務するプラス(仮)は小売業なのですが、「この人は今までどのように仕事して生きてきたんだろうか?」というような人が数名います。
「遅刻や欠勤が多い」「シフトに入れる日が極端に少ない」などは論外ですが、信じられないようなことをしでかす人がいるんです(※この話はいずれエントリーいたします)!
仕事内容にもよりますが、通常新人パートさんが1ヵ月程度で仕事に慣れるのに3ヵ月経過しても新人レベルだったら解雇すれば良いと思います。
例えば雇用前にキチンと説明して最初は1〜3ヵ月契約ぐらいに設定して雇用すれば良いだけです。もちろん解雇予告など解雇手続きを適正に行って払うものはキチンと払いましょう!
ちなみに私はフルタイム(週40時間勤務)で勤務しているので、よほどのコトがない限り残業OKです。
ただそれでも3時間ぐらいまでが限度ですね〜。
残業って休憩時間がないのですよ。そりゃトイレや水分補給ぐらいは許されていますが、基本的に定時を過ぎて残業に突入したら休憩無しです。
過去に1日4時間以上の残業というのを何度かやったことがありますが、やっぱり12時間以上勤務しちゃうと帰宅してゴハン食べて風呂入って寝るだけでギリギリです。
さらにこれが連続で2〜3日続くと疲れが取れずに作業のペースも落ちてきます。
「仕事なんだから当たり前だろう!」というような意見もあるかと思いますが、私の立場が正社員だったら文句はありませんし、もっと必死に率先してやります。
パートは夏冬のボーナスは無し、有休は6ヵ月以上の勤務でつきますが、基本的に週休二日(夏期休暇や年末年始休暇は無い)の休みしかないので、残業は程々にしていただきたいですね。