お客様からのクレームだけではなく、身内である配送員からも苦情が入ります。
配送員とは主に大型家具(チェスト・キッチンボード・ソファー・学習机など)をお客様宅へ配達・組立・設置・不要家具の引取りなどの作業を行うパート社員です。
配送センターには内勤の正社員がいますが、トラックで配送業務を行うことはありません。
今回の配送員から店長へのクレーム内容は
配送員「事前に聞いていた引取りの家具の大きさが違うのでトラックに入りきらない。だから店舗の車で引き取りに来い(怒)!」
どうやら『不要家具の引取り情報』が間違っていたようです。実はよくある話で、お客様に不要家具の大きさなどを聞くのですが、それが適当なことが結構あるのです。
本来なら配送員は配送センターへ連絡して、内勤の正社員に判断を仰ぐモノなのですが、どうやらご立腹のようで、店舗に電話してきたようです。こちらとしては「そういうことはコチラに連絡しないでください」と言っても良いのですが、今回は店長の判断で対応することになりました(時間が夕方だったため配送センターでトラックなどを用意するのが難しいだろうと考えたようです)。
ライトバンの社用車で私ともう一人の男性パート社員で現場に向かいました。
プラス(仮)のトラックが路肩に停車していたので、その後ろにライトバンを停めます。トラックの近くにはたぶん大型のチェストと思われる家具が積み上がっています。確かに相当デカいチェストです。
近くに配送員の姿がなかったので、しばらく待ちます。
配送員R「ABC店の方ですか〜?」
私「お疲れさまです(わぁ〜、コイツだったのか!)」
配送員R「アチラにいるのが店長さんですか?」
私「いえ、店長は来てませんよ?」
そう言うと不機嫌そうになる配送員R。
配送員R「ちぇ、なんだよ〜来てないのかぁ。現場ではどうなっているのかよく見ろと言っておいたのに!」
実はこの配送員Rは何度かABC店に商品を取りにきているの人で、何かに付け文句を言ってくる面倒なパート社員です。
以前商品を取りにきたRさんに私が対応したことがあります。
Rさんが言うには「ABC店の家具販売員は適当なことを言ってお客さんに売っているから、配送時にトラブルが絶えない」ということらしいです。
もちろんABC店の販売員は適当なことを言ってません。
本来そのような場合は
「他店舗と比べてどのぐらいトラブルが多いのか」
「ABC店でトラブルの多い販売員は誰なのか」
「1ヵ月(1年分ぐらいのデータが必要)にどのぐらいの頻度でトラブルが発生しているのか」
「年間でどの時期にトラブルの発生が多いのか」
このようなデータをまとめて判断しなくてはなりません。さらにそのデータを提出して改善要望を出すところは地域の店舗を統括するエリアマネージャーなどです。
パート社員である私にそんなこと言われてもどうすることもできないです。
私「あの〜、私はパート社員なので苦情を言われても何もできませんよ。そちらの配送センターの正社員に報告や提案をするのがプラス(仮)でのルールなんじゃないですか?」
配送員R「・・・アイツらに言っても何にもしないんだよなぁ。だから直接店舗の人に言うしかないんだよ!」
「何もしない」って、そりゃそうでしょ。多かれ少なかれトラブルなんてモノは発生します。配送センターの正社員もイチイチ対応する必要がないと考えているのでしょう。つまりデータを集めたところで、改善要望を出せるような数字にはならないということです。
私「じゃあ直接言ったらイイんじゃないですか?正社員か役職者を無線で呼び出しましょうか?」
配送員R「いや、今日はまだ他に回るところがあるから・・・」
なんだコイツ!じゃあ今の10分間(苦情を言われていた時間)は何だったのよ?
こんなことをする配送員ってRさんしかいないので、よく覚えてます。
Rさんはプラス(仮)の配送員として10年ぐらい働いているらしく、「オレは本社の●●さんや▲▲さんを知っている」など「ちょっとしたお偉いさん」の知人であることを自慢する方です。もちろん知人というのは言い過ぎだと思われます。
面倒なことに『自分は●●さんや▲▲さんに意見を言える立場である(自分には権力がある)!』と勘違いしちゃっているようです。
どうやらRさんはウチの店長に説教をしたようです。
配送員R「店舗はさあ、商品を販売するだけでイイけど、現場ではさまざまな対応しきゃならないから大変なんだよね。それを店長に教えてやろうと思ったのに!」
やっぱりRさん、頭おかしいですね・・・おしゃっている意味がわかりません。
基本的に「パート社員である配送員」から「店舗責任者である店長」が教わることなんて何もないです。
面倒なので相手をせず、無視します。トラックの後ろの道路上に置いてある家具の件についてお聞きします。
私「そんなことよりRさん、トラックに入らないという不要家具はこれですか?」
配送員R「そうこれ!」
私「ウチの社用車だと全部入りきらないと思いますが、どうしたらイイですか?」
配送員R「積める分だけでイイよ!」
というワケでとりあえずデジカメで積み上がったチェストと観音扉の開いているトラックを撮影します。
結局ライトバンなので引出し6〜7個ぐらいしか入りませんでした。
その後、Rさんの愚痴を数分聞いてやり、できるだけ和やかな感じにしてから引き上げました。
帰りの車内での男性店員さんとの会話。
私「トラックの中、ガラガラでしたよね?不要家具全部あの中に入ると思いませんか〜?」
男性店員「はい、私もそう思いました。あれ全部トラックに積めますよ!しかも夕方だと時間的に今日の配送は終わりだと思うので、あのぐらいのチェストだったら全部入ると思いますよ!」
店舗に戻り撮影した画像を見せながら店長に報告しました。
私「デジカメ画像に写っているようにトラックにすべて積み込めたはずです。本来なら配送センターで処理する問題を店舗に言ってくるのはおかしいですよ!さらに『なんで店長が来ないんだ!』って怒ってましたよ(笑)」
店長「ちょっと問題ある人だなぁ・・・。わかりました、ちょっと配送センターの所長に連絡入れておきます!」
そして数日後、喫煙所で店長から話の結論を聞くことになりました。
店長「配送センターの所長がRさんに聴取&注意したところ、『ABC店はオープン店なので素人ばかりだから、正社員・役職者・店長らに自分がいろいろ教えてやらないとダメだと思った』ということらしいです。」
私「・・・10年もパートを続けちゃうと勘違いするような人が出てくるんですね」
店長「まったくです。それで店舗に直接電話したり、身勝手な判断で店舗の業務に支障を与えたということで、1週間の出勤停止になって配送員から倉庫管理に移動したとのことです!」
ほえ〜、パート社員の出勤停止って相当罪が重いような気がします。
プラス(仮)は大手企業ですから、そのあたりのルールが厳しいのでしょうね。パート・アルバイトが10年勤務しようが20年勤務しようが地位が向上して権限を持つことはありません。どんなに真面目で仕事ができる人でも組織で働く以上、ルールを守らなければなりません!
店長「Rさん、以前にも他店舗と揉めたことが何度かあるみたいで、反省文や始末書をずいぶん書いていたらしいです。まぁ基本的には『クビ』みたいなモノですね!」
その後しばらくしてから、他の配送員の方から「Rさんヤメちゃったみたいですよ〜!」という話を聞きました。倉庫管理が向いていなかったのでしょうかね〜?
どんな職場や仕事でも同じですが、自分の思った通りにやりたいなら経営者になるか、経営者に近い立場になるしかありません。少なくてもパート・アルバイト・派遣社員などは正社員の指示通りにやるしかないです。ただし、正社員の判断が違うこともありますので、そのときは『相談』するのが良いですよね!