このお客様(女性)は「泊まりの来客」があるので、敷き布団のシーツを購入され、使用前に洗濯したら色が落ちてまだらになったということです。「泊まりの来客」は明日来るとのことでお急ぎということらしいです。
まぁ『商品不良』という内容ですね。でもコチラとしては「シーツが色落ちした」というのはちょっと考えにくいです。なぜなら、同じ製造ラインで作られた同ロットの同一商品にまったく問題がないからです。
おそらくですが、漂白剤を使用して洗濯したと思われます。
もちろん電話で確認はしているのですが、「いつもと同じ洗剤しか使っていない!」ということらしく、結局違う商品と交換するということになりました(同一商品だとまた色落ちするかもしれないので違う商品になりました)。
クレームとアフターケアの対応はABC店の正社員が対応していたのですが、交換用のシーツを私が持って行くことになりました。プラス(仮)ではこのようなクレームやアフターケアの場合は、こちらからお客様宅に伺うことが多いです。もちろんお客様しだいですが来店されてもOKです!
敷き布団用のシーツは同じ価格のものが2つ、200円ほど高いのが2つ、200円ほど安いのが1つ合計5つを持って行きます。価格が違う商品を選ばれる場合に備えて、お釣りも用意して行きます。
お客様宅に到着し、まずは謝罪です。そのあと実際に色落ちしたシーツを見せていただきました。
確かに全体的に色がまだならになっています。お客様の了承を得てこのシーツは持ち帰らせていただきます。
そして交換用の商品を見ていただき決めてもらおうと5つすべてお見せしました。
お客様「あら、このシーツは値段が同じぐらいのヤツじゃない。こういうこと(商品不良)があった場合は、もっと高額なのを持ってくるのが普通なんじゃないの?安いヤツにしたら私が損しちゃうじゃないの?」
どうやら電話での対応時にうまく説明が伝わっていないようでしたので、私が説明します。
私「いえ、低価格のものされる場合は差額分を返金いたします。高いものでしたら追加料金を頂戴します。このような説明を電話のときにはなかったでしょうか?」
あっけにとられるお客様。
お客様「え、お金取るつもりなの?商品が悪かったんだから普通は高額なものにタダで交換するでしょう!」
タダで交換するワケねーじゃん!
今回のケースだと『商品不良のためキャンセル(返品)』となり、その場合は『商品代金を返金する』という対応になります。そして新たにお客様が別の商品を購入されるという形になるので、金額の違う商品と交換することはない・・・というようなことを説明しました。
お客様「いや〜、納得いかない!そんな話じゃなかったはずです!!私が購入した商品よりもっと良い(高額な)商品じゃなければ受け取れません!」
私「わかりました。私も『商品を5つ持って行きお客様に選んでいただく』ということだけしか聞いていないので、店に電話を入れて確認いたします」
対応した正社員に電話して、成り行きを説明します。
正社員「え〜〜〜、ちゃんと全部説明したんだけどな・・・。電話をお客様に変わってもらえますか?」
お客様に電話を渡し、お話しをしていただきます。
個人的に思うことは対応した正社員は間違いなく説明しているでしょう。しかしお客様の頭の中では「高額商品と交換するのが普通でしょう」となっているため、説明が入っていかなかったんだと思われます。
これはクレームやアフターケアではよくあることなので、電話対応時にお客様に理解していただけるよう丁寧に説明する必要があります。
電話での結果はやはりお客様が納得できいということになり、一旦引き上げることになりました。
お客様「わざわざ来ていただいて申し訳ないけど、高い商品に交換するのが常識よね〜?」
おいおい、常識じゃねーよ。さっき説明したでしょう!
今回はお客様が急いでいるということで、キャンセルと返金という手間を省いただけです。
でもなんとなく私に対して敵意はなく、私の話なら聞いてくれそうな雰囲気があったので、もう一度だけチャレンジしてみました。
私「お客様、もしかすると商品不良による全額返金ということになるかもしれませんが、それでも構いませんか?」
お客様「でもシーツは明日までに必要なのよね〜」
私「例えば家電屋さんで40インチのテレビを購入して初期不良で壊れていたとしますよね?その場合は店に在庫があれば正常な同じテレビ、もし在庫がなければ注文して後日配達となります。しかし注文して後日配達だとその間はテレビが見れないので別のテレビにする人もいると思います。その場合だと追加料金無しで高額な50インチのテレビにはならないのと同じなんですよ」
お客様「・・・まぁそうだけど・・・(ちょっと考えてから)、じゃあいいわ。同じ価格のシーツをちょうだい!これでイイって、さっきの電話の人にも言っておいてね」
なんとか、まるく収まりました!
うまく決着した理由は、少し時間が経過してお客様が落ち着いたということと、電話での対応の人と目の前の人が別の人だからなんです。お客様からすると『電話対応の人は信用できない』、目の前にいる人は『電話の人より信用できる』という心理が働いたおかげなんです。
私「ご迷惑をおかけして申し分けありませんでした。電話の者にもキチンと話をしておきます!」
電話対応した正社員を悪者扱いしてお客様には「私はあなたの味方ですよ」をアピールすると上手く行くケースがあるんです。
あ〜、良かった!