最初にW杯の2ヶ月前に監督交代について私は反対でしたし、今でも反対です。
個人的には監督交代させるのであればもっと以前にすべきだったと考えています。
実はハリルホジッチ前監督が選んだ代表メンバーに不満があったからなんです。
「えっ、この選手たちが現状の日本最強メンバーなの?」
このように思っていたのは私だけじゃないと思います。
誰が不要で誰が必要かまでは書きませんが、ハリルホジッチ前監督が選ぶ代表メンバーは、あまりにも弱すぎるというイメージしかありませんでした。
このハリルホジッチ前監督のおかげで、今回のW杯は日本国内で全くといっていいほど盛り上がりがなかったのは事実です。
西野新監督の選出した代表メンバーは・・・「年寄りばっかり」などと批判する人もいたようですが、個人的には大納得でした。
後出しジャンケンではありますが(笑)、西野監督の選出した代表メンバーは結果を出していますし、決勝トーナメント進出を決めた現段階では2ヶ月前でも監督を交代して正解だったとしか言わざるを得ませんが、今後の代表監督を誰かしらに依頼する際、「日本はW杯2ヶ月前でも平気で監督をクビにする」というイメージがついて回るので、代表監督を嫌がるケースが多くなるような気がします。今後のことを考えると相当マイナスですね・・・。
監督を交代させるのであれば、アジア予選中もしくは終了直後が妥当だったと思います。
まぁそれでも現状で結果を出していることだけは間違いない事実です。しかしそんな事実に掌返し(私もその一人ですけど:笑)をしたり、グループリーグ最終ポーランド戦で批判している方がいるようです。
私はポーランド戦に限って「ゲームの終盤でGL突破が狙うために、ボール回しして時間潰すのは当然の戦術」と思っていました。逆に1点を取りに行っていたら「何やってんだ、頭おかしいんじゃないの?」と思ってしまったでしょう。
というワケであのポーランド戦でなぜ「ボール回しして時間潰すのは当然の戦術」と思ったのかおさらいしてみたいと思います。
まずポーランドが先制した直後、コロンビアも1点先制しました。そのあとのさまざまな可能性について考えてみましょう!
●さまざまな可能性について
1. セネガルが1点以上を取り、引き分け・勝ち越す可能性
セネガルは引き分け以上でGL突破が決定するという日本と同じ立場だったので、総攻撃で点を取りに行くしかない。カウンターを食らう可能性があるが、リスクを負ってでも1点を取りに行くしかない状況。
2. コロンビアが1点を守りきる、もしくは追加点を取る可能性
セネガルに勝てばGL突破が決定する状況。点を取った時間帯とセネガルの状況を考えると「1点を守りきる」という戦術になるのは必然。チャンスがあればカウンター攻撃で追加点も狙うケースもありえるが、時間を潰すためにセネガルのコーナー付近でボールを持ち続けるのが理想(時間潰し・コーナーキック狙い→ショートコーナーにしてパス回し)。
3. ポーランドが追加点を取る可能性
引き分け以上の結果が欲しいと思われる日本が点を取りに来るはずなので、守備を固めてカウンター攻撃狙いと考えていたでしょう。
しかし日本はボール回しを始めました。
すぐに察したでしょう、「日本は1-0で負けてもGLを突破できると判断したんだ」と理解したと思います。
GL敗退が決まっているポーランドの立場は「どうしても1勝がほしい」ところなので、無理に攻め込まずに時間を使いきりたいところ。もちろんボールを奪って追加点を取りに行くこともできたでしょうけど、日本にカウンターを食らうことも考えると同点〜逆転される可能性も出てきます。
4. 日本が1点以上を取り、引き分け〜勝ち越す可能性
1点を取るためにはピッチ上に香川・本田のどちらかは必須条件の日本。ゲーム終盤で交代枠はあと1人残っていたが、ポーランドのカウンター攻撃で追加点を献上してしまったらGL敗退が濃厚となってしまう。
なんといっても2敗しているとはいえ相手は強豪国のポーランドです。わずか10分、しかもピッチには控えメンバーばかりという状況では本田や香川を入れたとしても点を取れる可能性は低いとしか言えません。
さて、上記のような可能性を数値化することはできませんが、軽く検証してみましょう!
まず1と2についてですが、コロンビアが決勝トーナメントに進むためには絶対に勝つしかありませんでした。
ゲーム終盤での先制点のあとはPKを与えるようなファールは論外ですが、自陣に危険なボールが入ったらイエローカード覚悟で止めに来るはずです。コロンビアがボールを保持すればボール回しをするでしょうし、選手が倒れ込んだりして時間を潰すなどもするでしょう。
時間的にみてもセネガルが1点を取ることより、「時間稼ぎ」をするであろうコロンビアのほうが有利なので、勝利する可能性が高いと考えられます。
3についてですが、GL敗退が決定しているとはいえポーランドは『2敗1分』もしくは『3敗』は絶対に避けたい結果。コロンビア・セネガルという同レベルのチームに負けたのは仕方ないと妥協できるかもしれないけど、格下で弱小の日本に負けるわけには行きませんよね。
『1勝2敗』という結果にこだわるのは必然なので、コロンビア同様にボールを保持して「時間稼ぎ」をするでしょうし、選手が倒れ込んで時間を潰すなどもすることなども考えられます。もちろんチャンスがあれば追加点を狙ってくるので、焦らずじっくり攻めてくるという感じでしょう。
しかし、ポーランドは格下の日本のために引き分けてはくれません。
『残り時間10分程度で、格下の日本が1点以上を取る可能性が一番低い』というのは明白です。
日本は『危険なギャンプル』をしたワケじゃないんですよ。
『1点のビハインドで負けても「フェアプレーポイント」でGL突破のできる』という可能性が一番高い!
いくら監督が替わって選出された選手も違うとはいえ、日本はFIFAランキング61位というW杯論外の成績のチームなので、FIFAランキング8位のポーランド相手に10分程度で点を取るのは非常に困難であり、限りなく不可能に近いでしょう。
GL突破の可能性が一番高い作戦は『ボール回し』と『イエローカードはもらわない』ということなんです。
私もテレビ観戦しておりましたが、ブーイングをしている観客に対しては「まぁ金払って観に来ているんだからブーイングも出るわな!」と思いながらもニヤついてました(笑)。
しかし試合終了後(GL突破決定後)に各国メディアや日本国内からも批判が出るなんて想像してませんでした。
まだ各国メディアから批判されるのは理解できるのですが、日本国内から批判されるとは!!しかも私のような「にわか」が批判するならまだしも、一般人だけじゃなくサッカー解説者などからも批判されているようです。
そりゃ試合開始から引き分け狙いで前半から「ボール回し」をしたり、さまざまな局面で「時間稼ぎ」をやっていたら批判を浴びるのは当然でしょう。
日本にはそのような選択肢もあったのですが、ポーランドに点を取られ、コロンビアがリードする80分近くは対等にゲームをしていました。
そしてコロンビアが1点リードしたんです。
「おっ、ラッキーじゃん!日本にはまだチャンスがある!!」
個人的には「日本にとって1番リスクが少ない作戦に出たな!」という思いでしたし、日本を応援する全員が同じ思いだと思ってたんですよ。。。
残り10分で日本が1点取る確率より、コロンビアが1点取られないほうが確率高いに決まってんじゃん!
批判する人は日本がどんだけ強いと思っているのでしょうか?
GLでは運良くコロンビアを撃破して、セネガルと引き分けることができましたが、前評判通り日本は全敗するのが普通だったんですよ。
「ずるい」「卑怯だ」「正々堂々と勝負すべき」なんて言っている人は、どんだけ頭の中がお花畑なんでしょうか?
点を取りに行かないまでも普通にサッカーしていたらポーランドにやられちゃうんですよ。そんなリスクがある以上、ボール回しに徹したほうがGL突破できる可能性が高いんです。
決勝トーナメントへの進出するのとしないのとでは、天と地ほどの差があります(選手が得られるギャランティにも大差があります)。
仮に日本と同じ立場になったら、ほとんどの他国チームも同じ選択をするんじゃないでしょうか?
ドイツは韓国に敗れてGL敗退となりました。
韓国に先制点を取られたドイツは追いつくためにキーパーを含め果敢に攻めた結果、韓国に追加点を許してしまい、2−0という結果です。
ちなみに『フェアプレーポイント』でもドイツは「イエロー2枚」というのをスウェーデン戦で犯している影響もあり、-6ポイントでスウェーデンとメキシコの-5ポイントに負けています(得失点やゴール数はまた別の話ということで)。
要するにドイツは自力で点を取りに行くしか手段がなかったんです。
日本だって1点を取りに攻め込んでいればドイツと同じ結果になる可能性があったのは誰もが理解していると思いますが、勝ち点が並んだ場合「得失点差」「総得点数」「直接対決」などでもGLでは優劣がつくのもご存知だと思います。
今までは勝ち点が並んだ場合で「得失点差」「総得点数」「直接対決」も同じだった場合は、『くじ引き』で決まることになっていたんですよ。
サッカーの勝敗を『くじ引き』で決められる方が嫌じゃないですか?
今大会から『フェアプレーポイント』が導入され、このポイントも同数だった場合は・・・やはり『くじ引き』となります。
今後は『フェアプレーポイント』のあとに『FIFAランキング上位国』な〜んてのも追加されるかもしれませんね!でもそうなれば『くじ引き』という『運任せ』になるよりは遥かにマシなルールだと思います。
日本はサッカーのルール通りに戦っているし、何より今回から導入された『フェアプレーポイント』を有効に使うというのは戦術的にありでしょ!
過去にも勝ち点以外でGL突破が決まったことなどいくらでもありますよ(くじ引き決着はないみたいです)。
日本の「ファールをしないプレー(フェアプレーポイントを最小限に抑える)」を続けているのは、「ゲームで負けるとしても最少失点に抑えて得失点差を小さくする」というのはどこの国でもやっている戦術の一つです。
他国メディアで勘違いしているところもあるようですが、『フェアプレーポイント』は明確に点数が決められています(イエローカード:-1点・イエローカード2枚目退場:-3点・レッドカード:-4点・イエローカードのあとレッドカード:-5点)。
『フェアプレーポイント』には「10分間ボール回しをするとマイナス1点」などというルールではないのですよ!
日本の決勝トーナメント1回戦の相手国はベルギーというまたとんでもない強豪チームとの対戦です。
まともに試合して勝てる相手ではありません。
通常格上国との対戦では一発勝負なので、ファールして止めるというの筋ってもんです。だからパナマや韓国は『フェアプレーポイント』で大きくマイナスだったんです。
弱いチームはファールするしかないんです。
しかし同じような弱小の日本はファールをしないという選択肢でGLを突破したワケですが、決勝トーナメントで同じようなことしてたんじゃ〜無理っす!
ベルギー戦ではイエローカード覚悟で突っ込んで行ってほしいですね〜(半分冗談ですが、そのぐらいの気持ち向かって行ってほしいです)!
でもありがたいことにベルギーは日本を舐めきってくれています!
※まぁ日本も逆の立場だったら同じ状況でしょうけど。。。
コロンビアと同様の展開(ゲーム開始直後の先制点)なればいいのですけどね〜(笑)。